2011年8月29日月曜日

2011 いっぱく展趣意書


「いっぱく展」
名護・やんばるを愛した画家山之端一博の世界—

 〈趣旨〉
 名護・やんばるを愛した画家山之端一博(19232001)が亡くなってから早や10年が経ちます。 
 「いっぱくさん」は、戦前二中時代から本格的に絵を描き宮崎で終戦を迎えた後、しばらく鹿児島の塩田で働きその後上京し早稲田大学で学びました。卒業後は奈良県桜井市に教職を得て教壇に立つ傍ら、絵筆を持ち続け多くの作品や習作を描き続けました。
 戦争、復員、早稲田大学、奈良県での教員時代、 そして沖縄へ帰郷後の名護での教員時代と、精力的に作品を描き続けた「いっぱくさん」は、名護・やんばるで絵画サークルや美術文化活動をリードし、平和運動にもまた熱心でした。 
 天衣無縫の人柄に、私たち後輩や教え子たちは尊敬と親しみを込めて“イッパクセンセー”と呼び、 また彼は、世代を超えて誰とも気兼ねなく接してくれました。
 あのデイゴやキジムナー、馬、そして蒼い宇宙の作品群の記憶は今も鮮烈に私たち名護・やんばるの人々の心に焼き付いています。
 「いっぱくさん」の残した作品・資料群は、今を生きる私たちに何を語りかけてくれるのでしょうか。
 今回、「いっぱく展」の開催にあたり「ギャラリーみんたまあ」と「名護博物館」が協働で「いっぱくさん」の残した膨大な作品・資料群を整理しました。「いっぱくさん」の絵画作品の展示はもとより、貴重なスケッチや日記の一部を広く市民に公開いたします。
 自然界への畏敬、人間の尊厳、「いっぱくさん」のまなざしは、現在、私たちが抱え続けている問題や課題に向き合う一つの「視座」になるものと信じています。
 膨大な資料と作品が織りなす相乗の対比(コントラスト)は、「いっぱくさん」の「人生観や哲学」また、その人物が生きた「時代や背景」を浮かびあがらせることになると思います。
 どうぞ、名護・やんばるの多くの人々に愛された「いっぱくさん」の世界をご覧ください。

企画展日程
〈日時〉2011年8月19日(金)から9月4日(日)
    絵画贈呈式(セレモニー)
    午後5時(名護博物館展示ギャラリー)
    関係者懇親会:午後6時(名護博物館展示ギャラリー)
〈いっぱくを語る会〉8月26日(金)午後6時30分(名護博物館展示ギャラリー)
〈展示場所〉ギャラリーみんたまあ・名護博物館展示ギャラリー
〈主催〉ギャラリーみんたまあ・名護博物館
〈後援〉沖縄タイムス社、琉球新報社、琉球放送、琉球朝日放送、
    沖縄テレビ、NHK沖縄放送局(順不同)
この事業は平成23年度沖縄県文化芸術振興・産業創出支援事業補助金を受けて実施します。


 



作成:平良 
掲載:yas